大失敗:ブドウ畑
10月24日にまだ残っていたぶどうの房
イタリアの園芸書や日本語のインターネットなどを総動員して、
少しはブドウ畑の手入れの仕方がわかったつもりでいたものの、
仕事事態はなかなか思うようには行かず、何事もやりかけては完結しないでいた。

たとえば、冬の間に地面を掘り返して堆肥を置いて・・と、まずこれができなかった。
草刈機を使うことは覚えたけれど、耕運機はまだちょっと苦手。

そこで鍬を担いで耕しに行くのだが、半日かかってやっとこさ1列半くらいの
地面を耕すことができるのみ。
ちなみに1列10本くらいぶどうが植わった列が12列もある。

すると次の日は肩も腰もがたがたで鍬が持ち上がらない。
数日休んでまた始めるのだが、そうこうするうちにその仕事よりもそろそろ
伸び始めたつるを支柱や針金に止めつけなければならないのではないかと思い、
そっちのしごとをするうちに耕すことを忘れてしまった。

ぶどう園は我が家の土地の一番端っこでしかも上り坂になっているので、
毎日行くわけではない。

数日ぶりに行ってみると、草が伸びていることに気づき、
やはり3日ほどかけて草を刈った。つるはまたも伸びている。

葉が茂ってくると重みで古い支柱が傾いてきた。
Paolo曰く、「バルビーの仕事」
(バルビーというのは有名なバービー人形のこと。イタリア語ではRを発音するのでこうなる。)
どういうことかというと、私が持ち運んだり地面に埋め込んだりできるのは
軽くて細い素材。そこで何事もちまちまとしたものになってしまう。

バービーはわれわれのミニチュアのようで、衣服も車もなんでも持っている。
そこでこちらの人達はミニチュア版のことを「バービーの何とかみたい」とよく言う。

ちまちまでもなんでも取り合えずは支えになっているのだから文句を言うなといいたい。
もちろんあとでPaoloがしっかりしたものに取り替えてくれたけど、
物事には適時というのがあるわけで、さしあたりの処置をしておかなければならないのだ。

ぶどうの花を見たのは今年が初めて。
もちろん去年も咲いていたはずだが、どういうものか知らなかったので
気が付かないでいた。なんと小さな花なんだろう。
私の写真では拡大してお見せできないのが残念。

とにかくたくさんの花がついたので、今年は豊作かなとほくそえんでいた。
ところが、いかんせん5月が雨続きの毎日だった。

一度だけカビ予防の薬をまいておいたけれど、長雨にたたられて
次に気が付いた時にはすでにたくさんの葉がカビやさびのようなものに
やられてしまっていた。

病気はその部分を取り除くのが一番だと思って痛んだ葉のついた枝を
どんどん切っていたら、お隣のエリオさんが 
「だめだめ今切ったら株が弱ってしまう。だめな葉は勝手に落ちてしまうからほっときなさい。」 とのこと。

ああそうなのかと、約2列ほどほとんどはだかにして止めた。

その後ぶどうが生り始めた頃に行ってみたら、やはり花の数に比べてずいぶんと
房が少ないという感じ。でも、中にはすばらしい房がなっていた。

写真は7月の終わりごろ。まだすっぱいけれど見た目には立派でしょう?

その後も時折、人が見えるとぶどう畑をお見せしておりました。
そしてもう片方のお隣のアメリーゴさんから 「この次の日曜にBendemmia
(ベンデーミア
ぶどうの収穫のこと)
をしましょうか。」 という声がかかるのを待っていた。

ところが、アメリーゴさんちのぶどうはうちよりも出来が悪く、今年はぜんぜんだめだねぇと言っておられた。例年ならお友達が手伝いに来るほどなのに・・・

じゃぁ、いい時期に自分だけで刈り取らなければと思っていたにもかかわらず、
時期を逸してしまった。
マリーノのぶどう祭りなどの記事も書いていながら収穫時期を1ヶ月、
間違ってしまったのだ。

そしてこの1ヶ月も雨が多い月だった。
雨と、たくさんの小鳥たちについばまれてしまい、収穫に行ったときには無残な情景。

干からびたり、空洞になってしまったりしたぶどうの房を前に
この約1年の仕事が一瞬頭を駆け巡り、
何とか残っているものだけでも収穫しようと決めた。
すっかり熟していて甘さはこれ以上望めないくらい。

ただ、お掃除にずいぶん手間がかかった。

一粒ずつもぎ取って、
ジューサーでぶどうジュースをった。

2リットル強のぶどうジュース。これが今年の決算です。

                                  Keiko

 

芽が出てきたところ
ぶどうのつぼみ
ぶどうの花、小さな白い花だけどほとんど見えないくらい

  Homeへのボタン   ガーデニングTopへ戻る